新エネルギー利用等に関する特別措置法の施行令が改正され、雪氷熱利用及びバイオマスが新エネルギー(再生可能エネルギー)として明確化されました。
本改正に伴い、雪氷熱利用に係る国等の支援制度の適用が可能になりました。
*[施行令第1条第7号]
雪又は氷(冷機器を用いて生産したものを除く)を熱源とするエネルギーを冷蔵、冷房その他の用途に利用すること。
新しいエネルギーの位置づけ
雪冷熱利用に係る補助制度 ~魚沼市雪冷熱利活用施設導入補助金~
(1)事業概要
地域固有の財産である雪を資源として雪冷熱エネルギーを活用し、低炭素・循環型社会の構築を促進することを目的として、雪冷熱を利用する貯蔵施設(雪室)経費の一部を補助します。
(2)補助対象者
魚沼市内に事業所を有する(見込み含む)法人(民間事業者)
(3)補助対象経費
- 雪室建屋の建設工事に要する経費
- 設備は雪冷熱利用に直接的に必要な機械設備及び制御盤の設置に要する経費
(4)補助率
- 国県等の補助事業の場合
対象経費から当該補助金を差し引いた額の1/2相当額 - 国県等の補助を受けない場合
対象経費の1/3相当額 - 補助上限額
限度額 3,000万円
雪冷熱システム
雪の冷気が循環するしくみ
環境にやさしい“雪”利用
雪の冷気を利用した低温貯蔵は、電気による貯蔵方式と比べとても省エネです。この施設では年間78トン(76%)のCO2削減効果があると試算されています。
CO2排出量の算出係数
- 原油換算係数:0.254(kL/MWh)[経済産業省/平成22年度]
- CO2排出係数:2.62(t-CO2/kL)[環境省/平成22年度]
“冷やす”からくり(雪冷房システム)
- 雪室より冷やされた空気①は、バイパス回路より導かれた空気②と混合し、所定の温度に調整された冷風となり、送風機によって貯蔵庫に導かれます。
- 貯蔵庫に導かれた空気③は貯蔵されている玄米の穀温や夏の外気の影響により温度が上昇します。
- 上部に対流した暖かい空気④は吸引され、送風機によって空気⑤は雪室に還ります。
- 空気⑤は雪室で冷やされます。
- 冷やされた空気①は再びバイパス空気②と空気調和され、貯蔵庫に導かれ循環します。
※この施設は、下記の支援を受けて建設されました。
- 平成22・24年度 再生可能エネルギー熱利用加速化支援対策事業(経済産業省)
- 平成23年度 新潟県米付加価値向上施設整備促進事業(新潟県)
- 平成23年度 魚沼市雪冷熱利活用施設導入事業(魚沼市)
資料提供:JA北魚沼 利雪型米穀低温施設より
ブルボン魚沼工場雪室施設
令和4年2月16日 雪搬入
魚沼市利雪アドバイザー
(株)Snow Biz 代表 スノーエンジニア
工学博士 伊藤親臣氏